RPOコンサルタントとして年400名規模の採用を計画立案から実行まで支援。Webエンジニア・ITコンサルタント採用を専門とし、リクルート在籍時にMVA・MVPを複数回受賞。
SIerでシステム開発のプロジェクトマネージャーを務め、大規模案件の納期と品質を管理してきました。ただ、案件の多くは要件が固まった段階で自分のところに降りてきます。決められた仕様を、決められた予算と期間の中で確実に作り切る。それは得意でしたが、あるとき顧客側の担当役員から「そもそもこの投資は何のためにやっているのか」と問われ、自分がその答えを持っていないことに気づきました。作るプロジェクトは動かせても、なぜ作るのかを一緒に定義する側には立てていない。この非対称さが引っかかりました。
ゼロからIT以外の領域に飛び込むよりも、これまで積んだシステム開発の土地勘を活かせる場所のほうが、価値を出すまでの立ち上がりが速いと考えました。事業会社の社内SEやITベンダーの上流部門も比較しましたが、私が身につけたいのは「作る前の意思決定」に関与する力です。総合系ファームのIT・テクノロジー領域なら、構想段階から実行までを通しで扱えて、開発の現実を知っている強みがそのまま説得力になる。技術の実装を知っている人間が上流に立つ意味は大きいと判断しました。
PM経験者のコンサル転職は競合が多いと聞いており、どう差別化するかが不安でした。ラフロジックのコンサルタントの方は、私のプロジェクト管理の実績を一通り聞いた上で「進行管理の話だけでは、他のPM候補と横並びになります。あなたが要件の前提に疑問を持って動いた場面はありますか」と、埋もれていたエピソードを掘り起こしてくれました。決め手は二つで、ありふれたPM経歴を差別化の切り口ごと再構成してくれたことと、IT・テクノロジー領域の選考で何が問われるかを具体的に共有してくれたことです。
ケース面接と経験の言い換えの両方です。とりわけ印象的だったのは、私が「炎上しかけた案件を立て直した」経験を、単なる火消しの武勇伝としてではなく、要件定義の甘さという上流の論点を発見して手を打った話に組み替えていただいたことです。模擬面接は4回ほど行い、DX構想を題材にしたケースでは、開発現場を知る立場から「その施策は実装段階でどこが詰まるか」を先読みして論点に加える練習を重ねました。作れる人が上流で発揮できる固有の価値を、面接で言語化する訓練になりました。
良かったのは、自分の経験を「管理ができる」ではなく「実装の現実から上流の論点を見抜ける」という角度で語れるようになったことです。PM経験は珍しくありませんが、開発の詰まりどころを知った上で構想を語れる人は限られます。反省点は、当初その強みを自分で自覚していなかったことです。管理実績を並べれば評価されると思っていましたが、それは他のPM候補と同じ土俵に乗るだけでした。自分の固有性がどこにあるかを、もっと早く見極めるべきでした。
構想フェーズから実行支援まで一気通貫で関われることと、テクノロジー領域の案件比率が高いことを重視しました。上流だけを扱う環境も検討しましたが、私の強みは実装の現実を知っている点なので、構想と実装が地続きの案件に多く関われるほうが持ち味を出せると考えました。面接で会ったマネージャーが、開発現場の視点をむしろ求めていると明言してくれたこと。作れる人材として上流に迎えられる実感が持てた点が、最終的な決め手になりました。
PM経験者は「大規模案件を回した」という管理実績を前面に出しがちですが、それだけだと候補者の中で埋もれます。私がおすすめしたいのは、要件や前提そのものに疑問を持って動いた場面を、記憶の中から探し出すことです。火消しや進行管理の話も、上流の論点発見という角度で語り直せば、あなた固有の価値に変わります。開発の現実を知っていることは、上流に立つときの武器になります。管理の実績に、なぜ進めるのかを問う視点を足していく準備をおすすめします。