証券のリテール営業として、個人のお客様に金融商品をご提案する仕事を数年続けていました。数字を追う環境で鍛えられたことは今も財産だと思っています。ただ、あるとき担当先の経営者の方から事業の相談を受けたことがあって、そこで自分が提案できるのは金融商品の範囲に限られるのだと痛感しました。お客様が本当に困っているのは資金調達そのものではなく、その先の事業をどう伸ばすかという問いだったんです。目の前の課題の一段深いところに立ち会える仕事に移りたい、と考え始めたのがきっかけでした。
最初は事業会社の企画職も検討しました。ただ、一社の中に閉じるより、いろいろな業界の経営課題に触れながら課題抽出の型を身につけたいという思いが強くなりました。営業で数字と向き合ってきた経験は、事業の良し悪しを数字で語れるという点でコンサルティングと地続きだと感じたんです。特にブティックの戦略ファームは、少人数で経営者に近い距離で論点を立てる働き方だと伺い、自分が惹かれた「一段深いところ」に最も近いと考えて志望しました。
正直に言うと、未経験でしかも金融営業からの転身に自信が持てず、複数のエージェントに相談していました。その中でラフロジックに決めたのは二つ理由があります。一つは、証券営業のどの経験がファームで評価され、どこが不足として見られるかを最初の面談で率直に整理してくれたこと。もう一つは、コンサルタントの方が元戦略系ファームのご出身で、選考で問われる論点の立て方まで踏み込んで話してくれたことです。できる・できないを曖昧にせず、事実ベースで伴走してくれる姿勢に信頼を置けました。
ケース面接の対策です。最初の模擬面接で、私はいきなり打ち手を並べてしまい、「なぜその論点なのか」が抜けていると指摘されました。営業のクセで結論から詰めにいってしまうんです。そこからコンサルタントの方と、市場の構造を分解して論点を絞る練習を繰り返しました。回数にして十回近く付き合っていただいたと思います。印象的だったのは、私の証券時代の「顧客の資産全体を俯瞰して優先順位をつける」経験を、ケースで問われる論点の切り分けと同じ思考だと翻訳してくれたことです。自分の武器が言語化された瞬間でした。
はい。未経験入社なので提示額には幅があると聞いていましたが、コンサルタントの方から市場の相場観と、私の場合に妥当なレンジを事前に共有してもらえました。感覚で希望を伝えるのではなく、根拠を持って条件を話せたのは安心材料でした。結果として前職から二百万円以上の上振れになりましたが、金額よりも、入社後に何を期待されているのかを条件面から逆算して理解できたことが大きかったです。
複数の選択肢の中で、経営者と最も近い距離で論点に向き合える環境を最優先しました。ブティックの戦略ファームは案件ごとに深く関わるため、未経験の私でも一つひとつの論点にじっくり向き合えると考えたんです。面接を通じて、数字への強さと泥臭く食らいつく姿勢を前向きに評価してもらえた実感があり、ここでなら自分の営業経験を再現性のある強みに変えていけると確信できました。
金融営業からコンサルへの転身は、経歴だけ見ると遠回りに映るかもしれません。でも、数字で相手を動かしてきた経験は必ず活きます。大事なのは、自分の経験を相手の土俵の言葉に翻訳できるかだと思います。私は一人では翻訳しきれませんでしたが、業界を知る人に伴走してもらうことで自分の強みが見えてきました。結論を急がず、まず論点を立てる。その一点を意識するだけで、面接での見え方は大きく変わるはずです。