官公庁関連の職場で、公共政策の企画や運用に携わってきました。国の仕組みを動かす手応えのある仕事で、やりがいは大きかったです。ただ、年数を重ねるうちに、決められた枠組みの中で施策を回す役回りが中心になり、政策そのものを設計する上流の議論に関わりたいという思いが募りました。現場で見えていた制度の綻びを、もっと根本の論点から問い直したい。そう考え始めたことが、外の世界に目を向けるきっかけになりました。
民間の事業会社も一度は考えましたが、自分が積み上げてきた公共分野の知見を最も活かせるのはどこかと考えたとき、政策の調査研究と提言を担うシンクタンクが最適だと思い至りました。行政の内側にいたからこそ、制度の建て付けや現場の制約が肌感覚でわかります。その視点を、客観的なデータと分析で政策提言に昇華させる仕事は、自分の経験の延長線上にありながら、望んでいた「構想する側」への転換そのものでした。
公務員からの転職は前例が身近になく、まず情報が欲しくて何社かに接触しました。ラフロジックに決め手を感じたのは、私の職務経歴を「行政実務の経験」で終わらせず、公共政策領域でどう需要があるのかを構造的に説明してくれたからです。加えて、シンクタンクとコンサルティングファームで求められる論点設計の違いまで整理してくれました。抽象的な励ましではなく、事実に基づいて選択肢を並べてくれる姿勢が、慎重に判断したい自分の性に合っていました。
提出する研究業績や志望動機の論点設計です。私は行政実務の経験を時系列で語りがちだったのですが、コンサルタントの方から「経験の羅列ではなく、あなたが立てられる論点を先に示すべき」と助言を受けました。そこで、自分が現場で感じた制度課題を政策上の論点として再構成し、どんな分析アプローチで解けるかまで含めて整理し直しました。面接では「行政の内側を知る人間が、なぜその論点を重要と考えるか」を軸に語れるようになり、実務経験が研究者としての視座に接続された感覚がありました。
良かったのは、早い段階で自分の経験を論点ベースで棚卸しできたことです。反省点を挙げるなら、当初は民間への転身に対して身構えすぎていました。公共分野の専門性が民間で通用するのか不安だったのですが、実際にはその専門性こそが評価対象でした。もっと早く自分の価値を客観視できていれば、志望動機の言語化もスムーズだったと思います。この不安の解きほぐしにも、第三者の視点はとても役立ちました。
公共政策の調査研究に腰を据えて取り組める環境であること、そして自分の行政経験が組織の分析力に厚みを加えられると実感できたことが決め手でした。複数の選択肢の中には、より事業寄りのコンサルティング色が濃い先もありましたが、私が本当にやりたかったのは制度を根本から構想する仕事です。面接での議論を通じて、ここでなら現場感覚と客観的分析を両立させながら政策提言に関われると確信できました。
公務員の経験は、民間では通用しないと思い込んでいる方が多いかもしれません。でも、制度の内側を知る視点は、外からは決して得られない再現性のある強みです。大切なのは、実務経験を「何をやってきたか」ではなく「どんな論点を立てられるか」に翻訳することだと思います。私はその視点の転換を伴走してもらうことで、自分の価値を客観的に捉え直せました。慎重に、しかし自分の専門性を過小評価せずに一歩を踏み出してほしいです。